ワーク・ライフ・バランス制度
なぜワーク・ライフ・バランス?
時間制限があるなかでも、誠実な姿勢を持ったスタッフが気持よく働ける職場=職員全員が気持よく働ける職場という理念を共有することが大切と考えています。
当法人は、ワークライフバランスの領域について、各方面から一定の評価をいただいております。近年、医師と同様に、人員確保が深刻な課題となっている看護職において、過去10年以上、結婚・育児・介護等による離職は発生しておらず、相当数のゆとりをもった体制を維持しております。
できるだけ要員にゆとりをもたせることで専門職の皆さんが、個々のアイデンティティに沿った医療を実現していただくことが当法人の願いです。また、当法人は平均年齢約38歳ですが、60歳以上の職員が、元気に働き続けられる職場でもありたいと考えており、実際に相当数の職員が、その方のペースに合わせて元気に働いてくれています。
7段階の勤務
職員のライフステージに合わせて勤務形態を7段階に区分しています。
2010年度版
区分 | 勤務形態 | |
---|---|---|
STEP1 | パートタイマー | 週20時間以内の勤務 |
STEP2 | 短時間正職員 | 週30時間以上の勤務
①勤務時間短縮型:1日6時間以上 ②週休3日制:所定労働時間で週4日勤務 |
STEP3 | 正職員 ※所定労働時間 週38.75時間勤務正職員 |
①平日日勤のみ ②早番・遅番・残業など免除 |
STEP4 | STEP3に加えて、
①土日・祝日勤務 ②早番・遅番・残業など |
|
STEP5 | STEP4に加えて、月4回以内の夜勤担当 | |
STEP6 | STEP5に加えて、
①夜勤回数の制限はなし ②夜勤曜日の限定など細かな制限 |
|
STEP7 | 勤務に関する制限はない |
制度の利用状況
看護職の場合
- 利用者数
- 勤務する看護職のうち、ほぼ3人に1人がワーク・ライフ・バランス制度の利用者です。この人事制度が完全に定着していることは理解していただけることと思います。
- 成果
-
- 採用
2008年度以降、短時間正職員や日勤専従といったワーク・ライフ・バランス制度を利用した方は採用数全体の約40%にのぼります。 - 離職
近年は、離職者数・離職率とも低く推移しています。さらに、過去5年間以上、結婚や育児を理由とする離職はゼロで推移しています。
- 採用
働くドクターの声 医師のワーク・ライフ・バランス制度
短時間正職員制度を利用のA先生にお話をお伺いしました。
明和会医療福祉センターを選んだ理由を教えてください
私は急性期の病院で働いてきましたが、一方で患者さんにじっくりと向き合いながらオフタイムには家庭を大切にできるようにしたいと考えていました。
しかし、そうした希望に合うような病院は、なかなか見つかりませんでした。それで、地元を中心に少しずつ範囲を広げていったところ、勤務時間を短縮しながらも常勤(月俸)が可能な病院があるのを見つけました。それが明和会医療福祉センターでした。
今、どんな勤務スタイルで勤務しておられますか
週に3日と半日(午前)の勤務です。
回復期・慢性期を専門とする病院なので、外来患者数は非常に少なくなっています。また、勤務日のうち1日は当直を担当していますが、こちらも原則として外来はなく入院患者への対応のみとなります。住居について、自宅から少し離れていますので、病院の医師住宅(1戸建)を利用しています。
どのような生活スタイルなのでしょうか
週の前半は病院勤務、後半は自宅で過ごすイメージです。
子供と遊んだりジョギングに出かけたり、時には地元の幼馴染みとお酒を飲んだり、私にとっては等身大の自分に戻れる貴重な時間です。また、この余暇を使って日常の診察で疑問に思ったことを調べます。これまでは、昼となく夜となく続く過酷な勤務に多少疲れを感じていました。医療の質という面からみれば、向上しているような気もします。
実際に働いてみてどんな印象をお持ちですか
オンとオフのメリハリがついて非常にいい感じです。
まずは仕事について、以前は「さあ、やるぞ!」と病棟に入ったかと思えば、救急車が来て、その対応に追われるといったことが日常でしたが、現在は、そういったことがありません。病棟に集中することができていると思います。
次にオフタイムでいえば、今は比較的緩やかな勤務であるため、余暇に運動もしっかりできています。以前に比べ、はるかに健康管理ができています。
今後の目標についてお聞かせください
今はまだ、子供が小さいので父親である私が家を何日も空けるのはよくないと考えています。もう少し大きくなれば、私の勤務日数を増やすこともできるでしょうし、より専門的な医療を追求していくこともできるでしょう。
明和会医療福祉センターに着任してまだ日は浅いですが、臨床現場における研究テーマを2,3掲げることができました。今後はさらにこのテーマを深く掘り下げてゆきたいと考えています。
人事からのコメント
A先生は、とてもおだやかで素朴なお人柄のDrです。就職に関するお問合せをいただいた際、「患者さんお一人お一人にゆっくりと関っていきたい」「子供が小さいので、家族との時間を大切にしたい」と話されていたのが、印象に残っています。こうした「患者さんのために頑張りたい」と思っておられる先生が活躍できる環境を提供していくことは、病院にとって大切なことと認識しています。
ワーク・ライフ・バランス制度では、お一人お一人のご要望に合わせて勤務モデルを柔軟に組み立てていきますし、年度途中に家庭環境の変化に合せて勤務スタイルを変更することも可能です。A先生のように「人にやさしい」Drが、もっともっと加わっていただくことを期待しています。